筋肉痛の時に筋トレダイエットを止めない方法|部位を変えて週2〜3日を守る組み方

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脚がパンパンで階段を下りるのがつらい。でもダイエットを始めたばかりで、ここで1日休んだら気持ちが切れてしまいそう——筋肉痛が出るたびに「今日はやるべきか、休むべきか」で止まってしまう人は少なくありません。

結論から言うと、筋肉痛が出ていても筋トレダイエットは止めなくて構いません。判断するポイントは「今日やるかどうか」ではなく「どの部位が痛いか」です。痛む部位を外し、別の筋群に切り替えれば、その日のトレーニングはそのまま成立します。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、筋力トレーニングは週2〜3日、休息日を念頭に置いて行うことを推奨しています。つまり、休むこと自体がメニューの一部です。

この記事では、痛みのレベルを3段階で見分ける方法、痛む日に選びたい運動の強度、部位を分けて週の回数を落とさない組み方、そして「毎日やる」がかえって成果を鈍らせる理由まで、公的機関の数値をもとに整理します。読み終えたときに、明日の朝いちばんに何をするかが決まっている状態を目指します。

💪 この記事でわかること

・筋肉痛の日にやっていい運動と、やめておく運動の分かれ目
・痛みを3段階で見分ける具体的なチェック方法
・部位を分けて週の運動量を落とさない分割の組み方
・「毎日やる」が成果につながらなくなる時間の目安

目次

筋肉痛の時に筋トレダイエットを止める必要はない|決め手は「痛む部位」

筋肉痛の時に筋トレダイエットを止める必要はない|決め手は「痛む部位」の解説画像

筋肉痛が出た日にトレーニングをまるごと中止してしまうと、ダイエットで最も大事な「続く形」が崩れます。痛みが出ているのは前回鍛えた特定の筋肉であって、体のほかの部分は動ける状態にあります。ここを切り分けられるかどうかで、1か月後の運動量にはっきり差がつきます。

💪 まず押さえたい結論

筋肉痛の日に決めるのは「やる/休む」ではなく「どこを動かすか」です。痛む部位を外し、別の筋群に振り替えれば、その日のトレーニングはそのまま成立します。厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023が推奨する筋トレの頻度は週2〜3日。休息日はサボりではなく、推奨事項に含まれています。

痛む部位を避ければ、その日のメニューは今日も成立する

脚が痛いなら背中と腕、胸が痛いなら下半身、というように鍛える場所をずらせば、その日のトレーニングは問題なく行えます。グリコ パワープロダクションも、筋肉痛が出ている部位のトレーニングは行わない方が有効とし、脚の翌日は背中を鍛えるといった部位の入れ替えを紹介しています。筋肉痛が出ている間は、まだ筋繊維の修復が終わっていないことを示すサインだからです。

この考え方が効いてくるのは、週の運動日数を確保したい人です。ダイエット目的で週3日動くと決めていても、筋肉痛のたびに全休すると実質は週1〜2日に落ちます。部位をずらすだけで、予定した日数をそのまま守れます。

注意したいのは、部位をずらしたつもりでも関節や体幹は共通で使う点です。脚が痛い日に立って行う背中の種目を選ぶと、支える脚に負担が戻ってきます。座って行う種目、寝て行う種目に置き換えると回避できます。

週2〜3日は、公的ガイドが示す推奨ライン

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。e-ヘルスネットのレジスタンス運動の解説でも、成人と高齢者に対して週あたり2〜3回の実施が推奨されています。毎日ではなく、週2〜3日が基準だという点をまず押さえてください。

この頻度が設定された理由も明記されています。運動器への効果が確認されたレビューの情報源となった介入研究で、週2〜3日の運動プログラムが最も多く採用されていたためです。同ガイドは「しっかりと筋肉を休める時間(休息日)をとることも同じく重要」とも書いています。休息は妥協ではなく、推奨事項の一部です。

ダイエット目的の人ほど「週5日やらないと痩せない」と考えがちですが、公的な推奨に照らせば週2〜3日で十分に土台は作れます。筋肉痛で1日ずらしても、週の回数さえ守れれば計画は崩れません。

痛みを押して同じ部位を叩くと、かえって痩せにくくなる

筋肉痛のある部位を無理に鍛えると、扱える負荷が落ちます。負荷が落ちれば消費するエネルギーも刺激も減り、時間だけ使って成果が薄いセットになります。ダイエットの観点では、この「質の落ちた1回」が積み重なるのがいちばんの損失です。

e-ヘルスネットは、レジスタンス運動の負荷設定として最大挙上重量の60〜80%の重さを8〜12回繰り返すことを挙げています。痛みで力が出ない日は、この範囲に届かないまま回数だけこなす形になりがちです。同じ時間を使うなら、動く部位に切り替えて狙った負荷をかけたほうが効率的です。

休む日をゼロにしない人のほうが、結果的に長く続く

同ガイドは「日常生活レベル以上の負荷で筋トレを行い、少しずつ負荷を高めていく(=漸進性過負荷の原則)ことが重要」としたうえで、休息日の確保を並べて書いています。負荷を上げ続けるためには、上げた負荷を受け止められる回復が必要だという構造です。

ダイエットは数週間で終わる作業ではありません。痛みを我慢して押し切るやり方は、数日は成立しても、ケガや意欲の低下という形で止まります。筋肉痛が出た日は「回復の日」として設計に組み込むほうが、3か月後の総運動量は大きくなります。

動いていい痛み・休むべき痛みを3段階で見分ける

「痛いかどうか」の二択で考えると判断できません。押したときだけ痛いのか、動かすと痛いのか、何もしなくても痛いのか。この3段階に分けると、その日にやることが自動的に決まります。

📊 痛みレベル別の判断早見表
項目 レベル1(押すと痛い) レベル2(動かすと痛い) レベル3(安静時も痛い)
その部位の筋トレ 通常どおり可 負荷を落とすか、他部位へ変更 行わない
別部位の筋トレ 体調を見て判断
歩行(3.0メッツ) 可(平らな道で) 短時間・無理のない範囲
受診の検討 不要 不要 長く続くなら整形外科へ

レベル1|押すと痛い程度なら、予定どおり進めていい

触ると痛いが、歩く・座る・階段を上るといった日常動作では気にならない状態です。この段階なら、その部位を含む通常メニューを予定どおり行って問題ありません。動き出すと痛みが軽くなるのも、この段階でよく見られる感覚です。

ただし、ウォームアップの時間はいつもより長めに取ってください。最初の1セット目でいきなり狙いの重量に入ると、痛みで力が抜けてフォームがぶれます。軽い重量で2セットほど動きをなぞってから本番に入ると、扱える負荷が普段どおりに戻りやすくなります。

この段階で気をつけたいのは、痛みが軽いぶん、つい前回より重い負荷に手を出してしまうことです。回復途中の筋肉に上乗せする形になるので、負荷を上げるのは痛みが完全に消えた回に回しましょう。

レベル2|動かすと痛いなら、重量を落とすか部位を替える

階段の上り下りやしゃがむ動作で痛みが出る段階です。この状態でその部位を狙うと、痛みをかばう動きが入り、狙った筋肉ではなく別の場所に負荷が逃げます。フォームが崩れた状態での反復は、次の筋肉痛をさらに長引かせます。

取れる選択肢は2つです。ひとつは同じ部位を続けつつ、いつもの半分程度の負荷で可動域だけを丁寧になぞること。もうひとつは、その日は別の部位に丸ごと差し替えること。ダイエット目的で運動量を確保したいなら、後者のほうが総消費量は落ちません。

判断に迷ったら、その部位を使う動作を1回だけ軽く試してみてください。動かした瞬間に鋭い痛みが走るなら、その日は避ける側に倒すのが安全です。

レベル3|安静時も痛い・腫れている・力が入らないは中止のサイン

何もしていなくてもズキズキする、押すと熱を持っている、力が入らない。この段階は通常の筋肉痛の範囲を超えている可能性があります。済生会は、症状が長く続く場合は筋挫傷や筋断裂の可能性があるため、整形外科を受診することを勧めています。

また、運動に心当たりのない筋肉痛については、内科疾患や治療薬の副作用の可能性があるとして医師への相談が推奨されています。自己判断で「いつもの筋肉痛」と決めつけず、気になる状態が続くときは医療機関で相談してください。

この段階でも、痛む部位を使わない範囲の軽い活動まで止める必要はありません。上半身が痛いなら平らな道の散歩、下半身が痛いなら座って行う上半身の種目、といった形で運動習慣そのものは維持できます。

【失敗パターン1】「効いている証拠」と思い込んでフォームを崩す

よくあるのが、筋肉痛を成果のバロメーターだと考えて、痛い部位を毎回狙いにいくパターンです。原因は「痛み=効いた」という思い込みで、結果として回復しきらない筋肉に反復をかけ続けることになります。痛みをかばうため上体が揺れ、膝や腰など別の部位に負担が集まります。

対策はシンプルで、記録の対象を痛みから数字に変えることです。扱った重量、回数、セット数、そして週に何日動けたか。この4つが伸びていれば、筋肉痛の有無にかかわらずトレーニングは前に進んでいます。

48〜72時間で何が起きている?筋肉痛の時間割を知ると迷わない

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いつ痛みが強くなり、いつ引くのかが分かっていれば、週の予定を先に組めます。筋肉痛は不規則に襲ってくるものではなく、おおよその時間割があります。

📖 用語チェック

遅発性筋痛(DOMS)=運動から時間が経ってから出てくる筋肉痛のこと。主な原因は、筋肉が収縮方向とは逆方向に引きのばされながら力を発揮する「伸張性収縮(エキセントリック収縮)」とされています。ダンベルを下ろす動作、しゃがみ込む動作、階段を下りる動作がこれにあたります。

痛みは12〜24時間後に出て、48〜72時間でピークを迎える

遅発性筋痛は運動後12時間から24時間後に現れ、48時間から72時間でピークに達し、その後徐々に軽減していく経過をたどります。済生会も、運動後、早ければその日のうちに、遅くとも1〜2日後には発生し、たいていの場合は数日で痛みがなくなると説明しています。

この時間割が分かると、週の予定が組みやすくなります。土曜に脚を鍛えたなら、月曜前後がピークです。月曜に脚の種目を入れる計画は最初から避け、上半身の日に置いておけば、当日に迷うことがありません。

済生会は運動後に「そこから2〜3日の休息をおきましょう」とも書いています。グリコ パワープロダクションが示す超回復の約48〜72時間という目安ともほぼ重なります。同じ部位を叩く間隔は、この2〜3日を基準に置くと考えやすくなります。

「下ろす動作」が筋肉痛の主犯だと知ると、翌日が読める

筋肉痛が強く出るのは、筋肉が引き伸ばされながら力を出す局面です。スクワットでしゃがんでいく途中、ダンベルをゆっくり下ろす途中、下り坂を歩くとき。ここに時間をかけたトレーニングをした翌日は、痛みが強く出やすくなります。

逆に言えば、痛みの出方はコントロールできます。ダイエット序盤で運動を習慣化したい時期は、下ろす動作をゆっくり粘る種目を詰め込みすぎないほうが、週の予定を守りやすくなります。慣れてきてから伸張性の刺激を増やしていく順番が現実的です。

注意点として、痛みが出ないからといって効いていないわけではありません。同じ動きに体が慣れると痛みは出にくくなります。これは適応が進んだ結果であり、負荷を上げるべき合図として受け取るのが妥当です。

意外と知られていませんが、筋肉痛は成果の通知表ではありません

「痛くならないと意味がない」と考えている人は多いのですが、痛みの強さとトレーニングの成果は必ずしも比例しません。同じメニューを続ければ痛みは薄れていき、それでも扱える重量や回数は伸びていきます。痛みは体が慣れていない動きに対する反応であって、成長そのものを測る目盛りではありません。

ダイエットの文脈ではさらに重要です。体脂肪を減らすうえで効くのは、週あたりの総運動量と食事のバランスであり、1回あたりの痛みの強さではありません。痛みを目的にすると、追い込みすぎて翌日以降に動けなくなり、週の総量が減るという逆転が起きます。

筋肉痛にまつわる誤解では、体重の増減も混同されやすいポイントです。筋肉痛の期間に体重計の数字が増えて焦る人は、こちらも合わせて確認しておくと不安が減ります。

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部位を分ければ週4日でも回せる|ダイエット向けの分割の組み方

筋肉痛と付き合いながら運動量を確保する最短ルートが、鍛える部位を日ごとに分ける「分割」です。ここを設計しておくと、痛みが出た日でも代案を考える必要がなくなります。

🎯 週に使える日数別の組み方
週に確保できる日数 おすすめの分け方 同じ部位を叩く間隔
週2日 分割せず全身を2回 3日前後
週3日 全身×3、または上半身・下半身・全身 2〜3日
週4日 上半身・下半身の2分割を2周 3日前後

上半身と下半身の2分割が、いちばん破綻しにくい

初めて分割を組むなら、上半身の日と下半身の日を交互に置く2分割から始めるのが現実的です。痛みが残っている部位は必ず片方に寄るので、その日にやるべきことが自動的に決まります。週4日確保できる人なら、この2分割を2周させると同じ部位を叩く間隔が3日前後に落ち着き、済生会が示す2〜3日の休息とも噛み合います。

厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、糖尿病の運動療法に関する記載のなかで、筋力トレーニングは週2〜3日、連続しない日に行うこと、そして非運動日が2日以上続かないことを挙げています。連続で叩かない、けれど空けすぎない。この2つを同時に満たす形が2分割です。

デメリットもあります。1日あたりに扱う部位が多いため、1回のトレーニング時間は長めになります。時間が取れない日は種目数を削り、大きな筋群を優先して残すと形を保てます。

大きな筋群を「まんべんなく」回すのが公的ガイドの立場

同ガイドは、特定の部位を重点的に鍛えるのではなく、胸、背中、上肢、腹、臀部、下肢などの大きな筋群に負荷がかかるような筋トレを全身まんべんなく行うことを勧めています。ダイエット目的なら、この方針はそのまま消費エネルギーの確保につながります。大きな筋肉を使う種目ほど、1回あたりに動かす筋量が多いからです。

お腹だけ、二の腕だけを繰り返すやり方は、痛みが同じ場所に固定されるうえ、動かす筋量が少ないため運動量も伸びません。気になる部位があっても、全身を回すなかにその種目を差し込む形にしてください。

種目の順番と週の組み方を具体的に見たい人は、ダンベルを使った分割メニューの記事が参考になります。

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【失敗パターン2】分割が細かすぎて、1回の運動量が足りなくなる

胸の日、背中の日、肩の日、腕の日……と細かく分けすぎるパターンです。原因は、部位を分ければ分けるほど専門的で効率的だという誤解にあります。ところが1日に動かす筋量が減るぶん消費エネルギーが下がり、しかも週に確保できる日数が足りずに一部の部位が何週間も放置されます。

対策は、分割の数を「週に確実に確保できる日数」以下に抑えることです。週3日しか動けないなら分割は多くても2つまで。空いた部位が出ない設計にしておけば、筋肉痛でずらしても穴が開きません。

痛い日ほど歩く|筋肉痛の日に選びたい有酸素運動の強度

筋トレを1日ずらしても、体を止める必要はありません。強度の低い有酸素運動なら、痛む部位を刺激せずに週の活動量を積み増せます。ここで役立つのが、活動の強度を数値化した「メッツ」という考え方です。

📊 運動強度のメッツ比較(筋トレの教科書調べ・公的メッツ表の値より)
活動 メッツ値 筋肉痛の日の使い方
歩行(平らで固い地面) 3.0メッツ 第一候補。痛む部位を問わず選びやすい
歩行(下り坂) 3.3メッツ 脚が痛い日は避けたい(伸張性の負荷が増える)
レジスタンス運動(8-15回の複合種目) 3.5メッツ 痛くない部位に限定して実施
スクワット(レジスタンス運動) 5.0メッツ 脚に痛みが残る日は翌日以降へ
ジョギング(全般) 7.0メッツ 脚の筋肉痛がある日は強度が高すぎる

3.0メッツの歩行なら、痛む日でも積み上げられる

e-ヘルスネットはメッツを、安静座位時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示す指標だと説明しています。歩くことは3メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングは6メッツ、ランニングは8メッツ程度に相当します。筋肉痛の日にジョギングまで上げる必要はなく、3.0メッツの歩行で十分に活動量は積み上がります。

身体活動・運動ガイド2023は、成人に対して3メッツ以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上、週23メッツ・時以上)行うことを推奨しています。筋トレを休む日にこの歩行の枠を埋めておけば、週単位で見た活動量はほとんど落ちません。

気をつけたいのは、痛む部位を使う方向に強度を上げてしまうことです。表のとおり下り坂の歩行は3.3メッツで、平地より伸張性の負荷が増えます。脚に痛みが残る日は、平坦なコースを選ぶだけで負担が変わります。

有酸素だけに寄せると、体重は減っても体型は変わりにくい

筋肉痛が続くからと有酸素運動だけに切り替えてしまうのは、ダイエットとしては惜しい選択です。身体活動・運動ガイド2023が引くメタ解析では、総死亡の相対リスクは、実施なしを1としたとき有酸素性身体活動のみで0.75、筋トレのみで0.82、両方実施で0.60と報告されています。両方を組み合わせた群がいちばん低い値です。

e-ヘルスネットによれば、有酸素性エネルギー代謝は主に脂肪酸をエネルギー源として利用する経路で、運動中に重要な役割を果たします。一方の筋トレは、体型の変化と日常の動きやすさに効いてきます。どちらか一方ではなく、痛みに応じて比重を入れ替えるのが現実的な運用です。

自宅で強度を細かく調整したい人には、器具を使った有酸素運動という選択肢もあります。週あたりに必要な時間の考え方は、こちらの記事で整理しています。

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痛む部位に負担が集中する種目は、その日は外す

同じ有酸素運動でも、脚への衝撃が大きいものと小さいものがあります。ジョギングは7.0メッツ、ランニングは8.0km/時で8.3メッツと強度が上がり、着地のたびに脚が伸張性の負荷を受けます。脚に筋肉痛が残っている日にここまで上げると、回復が遅れる方向に働きます。

選び方の目安は「痛む部位を伸ばしながら力を出す場面が少ないか」です。上半身が痛い日は歩行でもジョギングでも構いませんが、脚が痛い日は平地の歩行に落とす。この切り替えができれば、痛みを抱えたまま運動をゼロにする日がなくなります。

筋肉痛の時に筋トレダイエットが失敗する、食事側の落とし穴

運動の設計をどれだけ丁寧にしても、食事側が崩れていると回復が追いつきません。筋肉痛が長引く人の多くは、トレーニング量ではなく食事の量に原因があります。

⚠️ 減量中に確認しておきたいこと

摂取エネルギーを絞りながら運動量だけ増やすと、回復に回す材料が足りなくなります。体重の数字だけを追わず、たんぱく質の量とBMIの位置を合わせて見てください。持病がある人や薬を飲んでいる人は、減量の進め方を主治医に相談してから始めましょう。

たんぱく質の推奨量は、成人男性65g・成人女性50g

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の推奨量が18〜64歳の男性で65g/日、同年代の女性で50g/日と示されています。65〜74歳では男性60g/日、女性50g/日です。まずはここが基準線で、運動をしている人が意識すべき下限だと考えると分かりやすくなります。

同基準では、たんぱく質の目標量として18〜49歳で13〜20%エネルギー、50〜64歳で14〜20%エネルギー、65歳以上で15〜20%エネルギーという範囲も示されています。総摂取エネルギーを減らす減量中は、この割合を保っているかを確認しておくと、たんぱく質だけが道連れで減る事態を防げます。

なお、プロテインなどの製品はあくまで食事で不足するぶんを補う位置づけです。飲めば筋肉がつく、痩せるといった働きを期待するものではなく、トレーニングと日々の食事が前提になります。製品ごとの摂取目安はメーカー公式の記載に従ってください。

エネルギーを削りすぎると、回復も筋肉も一緒に削れる

減量中に食事量を極端に落とすと、体は不足したエネルギーを補うために体内の材料を使います。筋肉痛からの回復に必要な分も、そこから差し引かれる形になります。「毎回筋肉痛が1週間続く」という人は、トレーニングが強すぎるのではなく、食事とエネルギーが足りていないケースが少なくありません。

e-ヘルスネットは、肥満・メタボリックシンドローム予防の観点から、3〜4%の緩やかな減量でも検査値の異常は改善するとしています。急激に落とす必要がないという裏づけです。ゆるやかなペースであれば、食事を極端に削らずに済み、回復に回す余裕も残ります。

実務的な目安としては、体重が週単位でわずかに下がりながら、トレーニングの重量や回数が落ちていない状態です。重量が下がり始めたら、削りすぎのサインとして食事量を戻す判断をしてください。

ゴールを体重の数字ではなくBMIと検査値に置き換える

e-ヘルスネットは、BMIが25以上を肥満、35以上を高度肥満と定義しています。食事摂取基準(2025年版)では、目標とするBMIの範囲として18〜49歳で18.5〜24.9、50〜64歳で20.0〜24.9、65歳以上で21.5〜24.9が示されています。自分がこの範囲に対してどこにいるかを知ると、目標体重の設定が現実的になります。

令和5年の国民健康・栄養調査では、肥満者の割合は男性31.5%、女性21.1%と報告されています。周囲との比較ではなく、この基準に照らして自分の位置を確認するほうが、目標を過剰に厳しく設定せずに済みます。

体重は水分の出入りで日々変動します。筋肉痛の期間はとくに数字が動きやすいので、毎日の増減に一喜一憂せず、週単位の平均で見る習慣をつけてください。

「毎日やる」が効かなくなる、週140分という折り返し地点

ここまで頻度と回復の話をしてきましたが、実は「やればやるほどいい」わけではないことが、公的ガイドの引用するデータにはっきり示されています。筋肉痛を押して毎日続けようとする人にこそ知ってほしい数字です。

Q 筋肉痛が出ない日は、毎日筋トレしたほうが早く痩せますか?
A 公的ガイドの推奨は週2〜3日です。引用されている調査では、筋トレの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性も示されています。日数を増やすより、歩行など強度の低い活動で週の総量を積むほうが続きます。

総死亡リスクが最も低いのは、週40分前後という報告

身体活動・運動ガイド2023が引く調査では、筋トレの実施時間と総死亡リスクの関係について、約40分/週でリスク比0.83と最も低くなり、約140分/週でリスク比1.00に戻ることが示されています。心血管疾患の発症リスクでも、約60分/週でリスク比0.82と最低になり、約130分/週でリスク比1.00に戻ります。

同ガイドはこの結果を受けて「週当たりの実施時間が長くなりすぎると逆効果である可能性も示されています」と明記し、休息日を念頭に置いた週2〜3日を推奨値として設定したと説明しています。健康づくりの文脈での話ではありますが、筋肉痛を押して毎日詰め込む方向が推奨されていないことは読み取れます。

もっとも、同ガイドは「この数字はあくまでも健康づくりを目指した筋トレの方向性を示す1つの目安」とも書いています。競技志向で追い込む人にそのまま当てはめる数字ではありません。ダイエット目的で無理なく続けたい人にとっての基準線として受け取るのが適切です。

筋トレと有酸素、両方やっている人の数値がいちばん低い

同ガイドが引くメタ解析では、筋トレを実施している群は実施していない群と比較して、総死亡および心血管疾患・全がん・糖尿病・肺がんの発症リスクが、有酸素性の身体活動量に関わらず10〜17%低いと報告されています。そのうえで、有酸素性身体活動と筋トレの両方を実施している群の総死亡の相対リスクは0.60で、それぞれ単独の群よりも低い値でした。

ダイエット中の運動計画に落とすと、筋トレの日を週2〜3日置き、その他の日は歩行を中心に埋める形が理にかなっています。筋肉痛で筋トレをずらした日は、歩行の枠として使えばよいわけです。

ちなみに国内で筋トレを実施している人の割合は9〜29%、18〜19歳で29%が最も多く、年齢が上がるにつれて減っていくと同ガイドは報告しています。週2〜3日を守れているだけで、すでに少数派の側に入っていることになります。

睡眠6時間以上を確保するのも、回復メニューの一部

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人に対して、適正な睡眠時間には個人差があるとしたうえで、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。同ガイドは、睡眠で休養が取れている感覚(睡眠休養感)を高めることも大切だとしています。

筋肉痛が引かない、疲れが抜けないという相談の背景に、睡眠時間の短さが隠れていることは珍しくありません。トレーニングの内容を見直す前に、睡眠時間が6時間を割っていないかを確認してみてください。運動の設計より先に効いてくることがあります。

また、痛みが長期間続く場合や、運動に心当たりのない痛みがある場合は、自己判断を続けずに整形外科や内科で相談してください。済生会も、症状が長く続く場合は筋挫傷や筋断裂の可能性を挙げています。

まとめ

💪 この記事の結論

筋肉痛の日は休むのではなく、痛む部位を外して別の部位に振り替えれば運動量は落ちません。筋トレは週2〜3日を守り、空いた日は歩行で埋めましょう。

✅ 要点チェック
  • 判断は部位で:痛む場所を外せば当日も動ける
  • 痛みは3段階:安静時も痛むなら中止が正解
  • 間隔は2〜3日:ピークは48〜72時間後にくる
  • 休む日は歩く:3.0メッツで週の総量を維持
  • 毎日は推奨外:公的ガイドの基準は週2〜3日

まずは今日、痛む部位を紙に書き出して、上半身と下半身のどちらの日に当たるかを確認してみてください。痛みが下半身に出ているなら今日は上半身の日、上半身なら下半身の日。それだけで「やるか休むか」で悩む時間がなくなります。筋トレの日を週2〜3日で固定し、残りの日は平坦な道を歩く枠として置いておけば、筋肉痛が出ても週の運動量は崩れません。体重の増減は日々ぶれるので、判断材料は扱った重量・回数・動けた日数の3つに絞ると、続けるほど数字が伸びていくのが見えてきます。

本記事の数値は、厚生労働省の健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023e-ヘルスネット「レジスタンス運動」e-ヘルスネット「肥満・メタボリックシンドローム予防の食事」済生会「筋肉痛」に基づいています。運動の可否や痛みの評価には個人差があり、持病がある人・痛みが長引く人は医療機関にご相談ください。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

筋トレの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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