ホームジムのおすすめ構成は買う順番で決まる|1台目から測る4つの寸法

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ホームジムを作りたいと思って調べ始めると、パワーラックの写真が並んだページに行き着きます。ところが、そこから逆算して器具をそろえた人ほど「置いたはいいけど使っていない」という状態になりやすいんです。理由はシンプルで、ラックは家の寸法と生活動線に一番シビアな器具だからです。

結論から言うと、ホームジムのおすすめの組み方は「重量を変えられるもの → 体を預けられるもの → 体を支えるもの」の順です。可変式ダンベル、ベンチ、そのあとにラックやバーベル。この順番なら、途中で止めても筋トレは成立しますし、買い足しても前の器具が無駄になりません。

この記事では、メーカー公式のスペックと価格をもとに、段階ごとに何を買えばいいのか、置く前に測るべき寸法はどこか、床対策はどこまでやるべきかを、数字で整理していきます。売り場で隣に立って説明するつもりで書きました。

💪 この記事でわかること

・ホームジムの器具を買う順番と、段階ごとの現実的な構成
・可変式ダンベル・ベンチ・ラックの公式スペックと価格の比較
・ラックを置く前に測るべき天井高・幅・奥行き・搬入経路
・床対策の考え方と、ゴムマットの厚みで変わること

目次

ホームジムのおすすめ構成は「買う順番」でほぼ決まる

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同じ予算を使っても、買う順番が違うだけで使用頻度は大きく変わります。ここでは、なぜ順番が効くのかを器具の性質から説明します。

最初の1台はダンベル。ラックから入ると詰まりやすい

ホームジムの1台目に選ぶなら、可変式ダンベルが扱いやすい選択です。理由は、1台で負荷の幅を作れる器具がダンベルしかないからです。たとえばFLEXBELL 32kgは2kgから32kgまで2kg刻みの16段階で切り替えられ、本体サイズは幅43.5cm×奥行18cm×高さ17cm。押す・引く・しゃがむの全方向をこれ1本でカバーできます。

一方、ラックから買うと何が起きるか。ラックは「重りを支える枠」であって、それ自体に負荷はありません。バーベルシャフトとプレートを別に買わないと1種目もできず、IROTEC マルチパワーラックのように本体サイズがW116×D145×H219cmある器具が、部屋の一番いい場所を占領した状態で止まります。

使うシーンで考えても差が出ます。ダンベルは床でもソファ横でも使えますが、ラックはその場所から動かせません。注意点は、可変式ダンベルは重量切り替えのたびに台座へ戻す動作が必要なこと。スーパーセットのように種目を素早く行き来する使い方では、固定式より手数が増えます。

2台目のベンチで、できる種目が一気に増える

ダンベルの次はベンチです。床に寝てのプレスは肘が床で止まるため可動域が制限されますが、ベンチがあれば胸の下まで下ろせて、インクラインの角度もつけられます。STEADY トレーニングベンチ ST140は背面8段階・座面4段階・フットレスト3段階の調整に対応し、これ1台でフラットプレス、インクラインプレス、シーテッドショルダープレス、ベンチに座ってのカール系までつながります。

根拠として、ベンチが増やすのは「種目数」ではなく「角度」です。角度が変われば同じダンベルでも刺激の入る位置が変わるので、器具を買い足さずに刺激を変えられます。ホームジムで最も詰まりやすいのが刺激のマンネリ化なので、ここは効きます。

妥協点も正直に言うと、折りたたみ式のベンチは背もたれの継ぎ目に頭や背中が当たる位置がモデルごとに違います。座面とバックシートの隙間の当たり方は体格で感じ方が変わるため、購入前にシート高と全長を必ず確認しておきたいところです。

ラック・バーベルは「置ける寸法」を測ってから決める

3段階目がラックとバーベルです。ここで初めて、1人でも高重量に挑戦できる環境になります。ただしこの段階は、欲しいかどうかより「置けるかどうか」が先に来ます。IROTEC パワーハーフラックHPM V2は本体サイズがW約161.5cm×D約132.5cm×H約214.5cm、本体重量は約70kg。公式には、バーベルシャフトを収納する際は部屋の高さが最低250cm以上必要と記載されています。

日本の住宅で天井高250cmは、標準的とは言いにくい数字です。だからこそ、ラックは「買う前に測る器具」なんです。測るのはメジャー1本、5分で終わります。

注意点として、寸法が収まっても搬入経路で止まることがあります。玄関の幅、廊下の曲がり角、階段の踊り場。長尺の支柱が曲がれない家は珍しくありません。

週2〜3日という公的な目安から、必要な器具量を逆算する

器具をそろえる量は、トレーニング頻度から逆算すると決めやすくなります。厚生労働省のe-ヘルスネット(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 情報シート)では「成人および高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する」とされています。

週2〜3日なら、1回で全身を回すか、上半身と下半身で分けるかの2択です。この頻度で回す前提なら、ダンベルとベンチで組める種目数でしばらく足ります。同じ資料には「筋肉にしっかり負荷をかけるとともに、休息日もしっかり設けることを意識しましょう」とあり、毎日ジムに入り浸る前提の設備は、家庭では過剰になりやすいということです。

注意点は、器具を増やすほど1回のトレーニング時間が伸びやすいこと。同資料では血圧上昇を抑えるため息をこらえないよう注意が促され、やりすぎは逆効果となる可能性があるとも書かれています。設備の充実と継続しやすさは、必ずしも比例しません。

🎯 目的別おすすめ
目的・シーン おすすめの選択 置き場所の目安
とりあえず筋トレを習慣にしたい 可変式ダンベル1本のみ 部屋の隅(幅43.5cm×奥行18cm)
胸・肩を本格的に鍛えたい 可変式ダンベル+折りたたみベンチ 使用時に約1畳、収納時は幅約23.5cm
背中の引く種目を足したい チンニングスタンド(懸垂マシン) 幅約106cm×奥行約95cm、高さ約176〜208cm
1人でベンチプレスとスクワットをやりたい ラック+バーベルセット+ゴムマット 天井高250cm以上が前提になる場合あり

器具は何台目から「ジム」になる?段階別の組み方

ここからは、実際にそろえる段階を3つに分けて、どこまでできるようになるのかを具体的な製品と価格で見ていきます。

最小構成:可変式ダンベル1本から始める

最小構成は可変式ダンベル1本です。1本でもワンハンドロウ、ゴブレットスクワット、ショルダープレス、カール、フレンチプレスと主要な部位は回せます。FLEXBELL 32kgは1個の本体重量が33.4kgあり、片手で扱う器具としては十分な上限です。実勢価格は1個で37,400円程度ですが、時期や販売店により変動します。

この構成の強みは、退路があることです。合わなくても場所を取らず、次の器具を足すときに無駄になりません。ホームジムで一番もったいないのは、使わない大型器具が部屋にある状態なので、まずは撤退できる規模から入るのが現実的です。

使用シーンとしては、テレビの前でも、寝室の隅でも成立します。デメリットは、床で行うプレス系の可動域が制限されること。胸を鍛えたい人はこの構成のままでは頭打ちになりやすく、次のベンチが必要になります。

標準構成:ダンベル+折りたたみベンチで種目が3倍になる

標準構成は、可変式ダンベルに折りたたみベンチを足した形です。STEADY トレーニングベンチ ST140は10,490円、耐荷重は約300kg、本体重量は約8.2kgで、折りたたみ時の幅は約23.5cm。壁とタンスの隙間に立てておける寸法です。

ここまで来ると、フラットプレス、インクラインプレス、デクライン気味のプレス、シーテッドショルダープレス、インクラインカール、ライイングエクステンション、ブルガリアンスクワットの足置きまで守備範囲に入ります。器具は2つですが、種目数は倍以上に増えます。

比較として、据え置き型のIROTEC マルチポジションベンチは31,900円で、本体サイズは約W71×D175×H55〜116.5cm、本体重量は約33kg、バックシートは7段階調整(フロントシートは連動して自動角度調整)。剛性と調整幅は上ですが、毎回動かす前提の器具ではありません。折りたたみか据え置きかは、部屋を兼用するかどうかで決まります。

注意点は、ベンチの耐荷重は「体重+扱う重量+動きの勢い」を足した数字で見ること。数字上の余裕は思っているより早く目減りします。

折りたたみ幅約23.5cmで部屋を占領しない、背面8段階のベンチはこちら▼

本格構成:ラック+バーベル+マットで1人でも高重量に挑める

本格構成は、ラックとバーベルセット、そして床マットの3点を足した形です。IROTEC マルチパワーラックは79,200円で本体サイズW116×D145×H219cm、本体重量82kg。プレートとバーベルシャフトは別売なので、IROTEC ラバーバーベルダンベル100kgセット(46,420円)のような重量一式を別に用意します。

この構成で変わるのは、潰れても抜け出せるようになることです。セーフティバーがあるからこそ、1人でも限界近くまで追い込めます。ダンベルだけでは踏み込めなかった重量帯に、安全側から手が届くようになります。

妥協点は、組立と維持です。マルチパワーラックの組立には17mmレンチ2本が必要で、工具は付属しません。82kgの器具を組み上げる作業は、1人だと半日仕事になります。加えて、床対策を同時にやらないと、次のセクションで触れる問題が出てきます。

段階を飛ばした人がやりがちな買い直し

よくある失敗の1つ目が、いきなり大型ラックを買って、その後にベンチを買い直すパターンです。原因は、ラックの内寸とベンチの寸法を合わせずに買ってしまうこと。据え置きベンチは全長が長く、たとえば約D175cmのベンチをラック内に収めると、プレートの着脱スペースが消えます。

対策はシンプルで、ラックを買う前にベンチの奥行きを決めておくことです。順番としては「ベンチ → ラック」。ベンチはラック内に収まる必要がありますが、ラックがベンチに合わせて縮むことはありません。

もう1つの原因が、シャフト規格の確認漏れです。ラバーバーベルダンベル100kgセットのシャフトは28mm径。すでに持っているプレートが50mm径だと穴が合わず、そのまま使えません。買い足す前に手持ちの穴径を確認しておくと、この買い直しは防げます。

📊 スペック比較(筋トレの教科書調べ/各メーカー公式スペックより)
項目 FLEXBELL 32kg STEADY ST140 IROTEC マルチパワーラック
役割 負荷をつくる 角度をつくる 安全をつくる
サイズ(設置寸法) 幅43.5×奥行18×高さ17cm 折りたたみ時 幅約23.5cm W116×D145×H219cm
本体重量 1個33.4kg 約8.2kg 82kg
価格 37,400円(変動あり) 10,490円 79,200円

可変式ダンベルが1台目に強い3つの理由

可変式ダンベルが1台目に強い3つの理由の解説画像

1台目にダンベルを推す理由を、刻み幅・省スペース性・弱点の3方向から掘り下げます。

2kg刻みの16段階が、伸び悩みを消す

可変式ダンベルで見るべき数字は、上限重量より刻み幅です。FLEXBELL 32kgの切り替えは2kg-4kg-6kg-8kg-10kg-12kg-14kg-16kg-18kg-20kg-22kg-24kg-26kg-28kg-30kg-32kgの16段階。2kg刻みで上がっていきます。

なぜ刻み幅が効くのか。サイドレイズやフロントレイズのような小さい筋群の種目では、5kgの次が10kgでは飛びすぎて回数がまったく出ません。2kg刻みなら、次の段階へ体を慣らしながら移れます。逆に刻みが粗い製品は、途中で「上げられないから同じ重量を続ける」状態になり、そこで成長が止まりがちです。

注意点は、刻みが細かいぶん段階数が多く、目当ての重量に合わせるダイヤル操作の頻度も増えること。テンポ重視のトレーニングでは、この操作時間が地味なストレスになります。

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置き場所は幅43.5cm×奥行18cm。省スペースの中身

可変式ダンベルの本当の価値は、重量の数だけ床を使わずに済むことです。FLEXBELL 32kgは台座を含めて幅43.5cm×奥行18cm×高さ17cm。この面積で2kgから32kgまでを持ちます。固定式で同じ範囲をそろえると、16ペア分の置き場所が必要になる計算です。

使用シーンで言えば、リビングや寝室と兼用する部屋ほど効いてきます。トレーニングが終わったら壁際に寄せる。この動作が1分で済むかどうかが、続くかどうかを分けます。

デメリットは重量です。1個33.4kg、2個セットで66.8kg。棚の上に置くような使い方はできませんし、賃貸で床に直置きするなら、後述するマットが要ります。

ダイヤル式の弱点と、雑に扱うと起きること

可変式ダンベルの弱点は構造にあります。ダイヤルやピンで重量を選ぶ機構がある以上、プレートを落とす・ぶつけるといった扱いに、単なる鉄塊より弱くなります。

具体的には、セット中に台座へ戻さず床に置いたまま切り替えようとすると、ダイヤルの噛み合わせがずれることがあります。台座に正しく戻してから回す。この一手間を守るだけで、故障リスクはかなり下げられます。

保証面も見ておきたいところです。FLEXBELL 32kgには1年保証が付きます。可変式は機構がある器具なので、購入時の保証条件は固定式より重要な判断材料になります。

実は、固定式を数ペア足したほうが伸びる人もいる

意外と知られていないのですが、可変式1本でしばらく続けた人ほど、固定式ダンベルを軽い重量帯で数ペア買い足すと種目の幅が広がります。理由は、両手で違う重量を同時に使う場面や、切り替えの待ち時間をなくしたい場面があるからです。

たとえばサイドレイズを高回数で追い込むドロップセットでは、重量を落としながら連続で挙げます。可変式1本ではダイヤル操作の時間が挟まり、狙った効果が出にくくなります。ここで軽い固定式が横に転がっていると、動作が止まりません。

注意点は、置き場所が増えること。ホームジムの床面積は有限なので、固定式を足すのは「可変式の使い方が固まってから」。最初から両方そろえる必要はありません。

📋 スペックカード:FLEXBELL 32kg
重量展開 2kgから32kgまで2kg刻み・16段階
本体サイズ 幅43.5cm×奥行18cm×高さ17cm
本体重量 1個33.4kg/2個セット66.8kg
保証・価格 1年保証/実勢37,400円程度(時期により変動)

ベンチは角度より「畳めるか」で選ぶと後悔しにくい

ベンチ選びで比較されがちなのは角度段数ですが、家に置くなら先に見るべき数字が別にあります。

折りたたみ幅約23.5cm。使わない時間のほうが圧倒的に長い

ホームジムのベンチは、1日のうち使う時間より置いてある時間のほうが長い器具です。STEADY トレーニングベンチ ST140は使用時に約1畳のスペースに収まり、折りたたむと幅約23.5cm。本体重量は約8.2kgなので、片手で立てかけられます。

この数字が効くのは、部屋をトレーニング専用にできない人です。リビングの一角で使い、終わったらソファの裏に立てる。この運用ができるかどうかで、器具の稼働率は変わります。

注意点は、折りたたみ機構がある以上、シートの接合部に可動部が入ること。据え置き型に比べると、高重量のプレス時に感じる安定感の質は変わります。数字上の耐荷重は約300kgありますが、体感の剛性は別物として考えておいたほうがいいでしょう。

据え置き型は剛性と調整幅で勝つが、部屋を選ぶ

据え置き型の代表がIROTEC マルチポジションベンチです。31,900円で、本体サイズは約W71×D175×H55〜116.5cm、本体重量は約33kg。バックシートは7段階調整で、フロントシートは連動して自動角度調整される仕組みです。

この重量と全長は、そのまま安定性に効きます。プレス中にベンチが動かないことは、扱う重量が上がるほど重要になります。角度もインクラインからデクラインまで振れるので、胸の上部・下部を分けて狙う段階に入った人向けです。

デメリットは明確で、約33kgのベンチは毎回片付ける器具ではありません。奥行き約175cmを常時確保できる部屋があるかどうかが、判断の分かれ目になります。

シート高51.5cmが意味すること

見落とされがちなのがシート高です。IROTEC マルチポジションベンチのシート高は約51.5cm。ベンチプレスやダンベルプレスでは、寝たときに足の裏全体が床につくかどうかで踏ん張りが変わります。

身長が低めの人がシート高の高いベンチを使うと、つま先立ちになって腰が浮きやすくなります。逆に脚が長い人は、シート高が低すぎると膝が上がりすぎて、脚で床を押す力が使いにくくなります。どちらも、扱える重量より先にフォームが崩れる原因です。

対策としては、シート高が合わないときに小さな踏み台やプレートを足元に置くこと。器具を買い替える前に、この調整で解決する場面は少なくありません。

耐荷重300kgの正しい読み方

ベンチの耐荷重は、扱うバーベルの重さだけを指す数字ではありません。ST140の耐荷重は約300kgですが、そこに乗るのは「自分の体重+ダンベルやバーベルの重量+動作中に生じる荷重」です。

自分の体重に扱う総重量を足した時点で、静止しているだけでもかなりの数字になります。そこに挙上時の勢いが加わるわけです。数字の余裕は、思っているほど広くありません。

注意点として、耐荷重は均等に荷重がかかる前提の値です。ベンチの端に座って片側だけに荷重をかける使い方は想定外の使い方になります。片付ける前に足を乗せて畳む、といった動作も避けたほうが無難です。

ラックとバーベルを入れる前に測る4つの寸法

ラックとバーベルを入れる前に測る4つの寸法の解説画像

ラックは、買ったあとに問題が発覚しても戻せない器具です。測る場所を4つに絞って確認します。

天井高:250cm以上が必要になるケースがある

最初に測るのは天井高です。IROTEC パワーハーフラックHPM V2は本体高が約214.5cmですが、公式には、バーベルシャフトを収納する際は部屋の高さが最低250cm以上必要と記載されています。本体が入る高さと、実際に使える高さは別なんです。

加えて、ラック上部で懸垂をする使い方を考えているなら、頭の分の余白も要ります。本体高214.5cmのラックに手を伸ばしてぶら下がれば、頭の位置は天井のすぐ下です。

注意点は、天井の一番低い場所で測ること。照明の傘、梁、火災報知器の出っ張りは、カタログの数字には出てきません。

幅と奥行き:W116×D145cmは「置くだけ」の数字

IROTEC マルチパワーラックの本体サイズはW116×D145×H219cm。ただしこれは本体の外寸で、使うにはこの周囲に人が動くスペースが要ります。

特に効いてくるのがバーベルシャフトの長さです。一般的な長さのシャフトはラック幅より左右に張り出すので、両端にプレートを着脱する動作分の余白が必要になります。壁にぴったり寄せて設置すると、片側のプレート交換ができなくなります。

対策は、床にマスキングテープで実寸を貼ってみることです。W116×D145cmの四角を床に描き、その周りを歩いてみる。これだけで、置けるかどうかの判断精度は上がります。

搬入経路と組立:82kgの器具は1人では運べない

寸法が収まっても、家に入らなければ意味がありません。IROTEC マルチパワーラックの本体重量は82kg、パワーハーフラックHPM V2は約70kg。分割された梱包で届きますが、それでも1箱が重量物です。

玄関の幅、廊下の直角、階段の踊り場、エレベーターの奥行き。この4か所は、ラックの支柱の長さが通るかどうかで判断します。マンションの内階段で長尺物が曲がれず、その場で返送になるケースは実際に起きています。

組立にも準備が要ります。マルチパワーラックの組立には17mmレンチ2本が必要で、工具は付属しません。手持ちがなければ、器具と一緒に工具も用意しておきましょう。

シャフト規格:28mm径か50mm径かで互換性が変わる

4つ目はシャフトの穴径です。IROTEC ラバーバーベルダンベル100kgセットは46,420円で、シャフト規格は28mm径。セット内容は1.25kgプレート×4枚、2.5kgプレート×4枚、5kgプレート×4枚、10kgプレート×2枚、15kgプレート×2枚、バーベルシャフト10kg×1本、ダンベルシャフト2.5kg×2本で、合計100kg(シャフト重量含む)です。

穴径が違うプレートは物理的に入りません。買い足すときも、規格が違えば手持ちの資産が使えなくなります。最初のセットを買う段階で、どちらの規格で家を統一するかを決めておくのが安全です。

このセットはラバーリングタイプで、10kg以上のプレートにはグリップホールが採用されています。プレートの持ち運びと、床に置いたときの音が変わる仕様です。ホームジムでは、この「音」が続けられるかどうかを左右します。

⚠️ 購入前にチェック

ラックを検討するなら、①天井の一番低い場所の高さ ②設置予定地の幅と奥行き ③玄関・廊下・階段の最小幅 ④手持ちプレートの穴径、の4点をメジャーで実測してから注文してください。パワーハーフラックHPM V2はバーベルシャフト収納時に部屋の高さ最低250cm以上が必要と公式に記載があり、本体が入る高さと使える高さは別の数字です。

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床が抜けるって本当?集中荷重で考える床対策

ホームジムの相談で最も多いのが床の話です。ここは感覚論ではなく、基準の数字から整理します。

1,800N/m2という基準は「分散前提」の数字

住宅の床の強度は、建築基準法施行令の積載荷重で定められています。住宅の居室について、床版の計算用に用いられる値は1,800N/m2(約180kg/m2)です。国土交通省の積載荷重に関する資料にも同じ区分が示されています。

ただし、この数字をそのまま「180kgまでしか置けない」と読むのは誤りです。この値は、部屋全体に家具や本が均等に散らばる分布荷重を想定したもので、狭い範囲に集中する集中荷重は想定されていません。ホームジムはまさに後者で、1畳に満たない面積に人と器具の重さが集まります。

注意点は、法定基準は床板そのものの話であり、床を支える根太や大引の長期的な耐久性まで保証するものではないということ。だから「基準内だから大丈夫」ではなく、「集中させない工夫をする」が正しい向き合い方になります。

📖 用語チェック

積載荷重=床に載る人や物の重さのこと。建築基準法施行令では、住宅の居室の床版計算用に1,800N/m2(約180kg/m2)という値が使われます。これは重さが面全体に散らばる「分布荷重」を前提とした数値で、ラックの脚4点のように一点に重さが集まる「集中荷重」とは別の考え方が必要です。

ゴムマットの厚み1.5cmで変わること

床対策の基本は、荷重を面に広げることと、衝撃と音を吸収することです。IROTEC ラバージムマット(4枚セット)は7,040円で、1枚あたり50cm×50cm、厚みは約1.5cm、重量は約3.4kg、材質は合成ゴム。ジョイント式なので、必要な面積に合わせて敷けます。

合成ゴムを選ぶ意味は密度にあります。よくあるEVA素材のジョイントマットは柔らかく、軽いダンベルの下敷きには向きますが、高重量の器具を支える硬度は持ちません。柔らかいマットの上にラックの脚を置くと、沈み込んで水平が出なくなることもあります。

注意点は、厚み約1.5cmのマットだけで階下への振動が消えるわけではないこと。バーベルを落としたときの床衝撃音は、マット1枚では吸収しきれません。マットは「床のキズと音を減らす」ための装備であり、落下前提の使い方を許すものではないと考えてください。

賃貸・マンションで先に決めておくこと

賃貸で始めるなら、退去時の原状回復と、階下への配慮の2つを先に決めておきます。床のキズはマットで防げますが、器具の重さで生じるフローリングのへこみは、置き方で差が出ます。

実践的な対策は、荷重を分散させることです。ゴムマットの下に厚めの合板を1枚挟み、その上に器具を載せると、脚の点荷重が板の面に広がります。ラックのように脚が4点しかない器具ほど、この一手間が効きます。

時間帯の配慮も重要です。プレートを床に置く音は、空気を伝わる音ではなく床を伝わる振動として階下に届きます。夜遅い時間のバーベルトレーニングは、防音マットを敷いていても苦情につながりやすいと考えておいたほうがいいでしょう。

マットを敷かずに始めた人の失敗

よくある失敗の2つ目が、器具だけ先に買ってマットを後回しにするパターンです。原因は、マットが「あとから足せるもの」に見えることにあります。

実際には逆で、82kgのラックや100kgのプレートを設置してからマットを敷こうとすると、器具を全部どかす作業が発生します。ダンベル1本ならまだしも、ラックまで組んだ状態からのやり直しは半日仕事です。

対策は、器具と同時にマットを注文して、敷いてから器具を組むこと。IROTEC ラバージムマット(4枚セット)は7,040円で、1セット4枚=1m×1m分をカバーします。必要面積から逆算して、器具の到着前に床を作っておくのが正解です。

懸垂マシンが効いてくるのは2台目以降

背中の引く種目を足す段階で候補になるのが、チンニングスタンド(懸垂マシン)です。ただし置き場所の条件はラックに次いで厳しめです。

ST115の耐荷重150kgと高さ176〜208cm

STEADY マルチ懸垂マシン ST115は15,290円で、耐荷重は最大150kg、組立後サイズは幅約106cm×奥行約95cm×高さ約176〜208cm、本体重量は約24kg。高さは10段階で調整でき、365日メーカー保証が付きます。

耐荷重150kgという数字は、自重+加重ベルトを想定した値として読みます。自分の体重に加重分を足しても余裕がある人が多い数字ですが、勢いよく体を振る反動懸垂では瞬間的な荷重が上振れします。数字ぎりぎりで使う設計にはしないほうが安全です。

デメリットは奥行きです。幅約106cm×奥行約95cmは、部屋の隅に置いても壁から1m近く出てくる寸法。ダンベルやベンチと違い、使わないときに畳んで隅に寄せることはできません。

設置できても引けない部屋がある

懸垂マシンで見落とされるのが、天井高との関係です。ST115は高さ約176〜208cmの10段階調整で、天井の低い部屋では低い段に設定して使うことになります。

ここで問題になるのが、バーの高さを下げると膝を曲げないと足が床につく点です。膝を曲げた姿勢での懸垂は可動域を作れますが、フォームが崩れやすく、狙った背中に効かせにくくなります。設置できることと、フルレンジで引けることは別なんです。

対策は、購入前に「バーの高さ+自分の腕を伸ばした高さ+頭の余白」で必要高を計算しておくこと。ぶら下がったときに足が床から離れる高さが確保できるかを、天井高から逆算します。

ラックがあるなら懸垂マシンは要らない?

ラックにチンニングバーが付いているなら、専用の懸垂マシンは基本的に不要です。ラック上部のバーで引けますし、床面積も増えません。

ただし、逆のケースは成立します。ラックを置けない部屋で背中を引く種目を確保したいなら、懸垂マシンは有力な選択肢です。ST115のように高さ10段階のモデルなら、ディップスやレッグレイズにも使えて、1台で引く動作と押す動作の一部をカバーできます。

注意点は、両方を検討している段階で懸垂マシンを先に買わないこと。あとからラックを入れると役割が重複して、幅約106cm×奥行約95cmの器具が置物になります。順番はここでも効いてきます。

Q ホームジムは何畳あれば作れますか?
A 構成によって変わります。可変式ダンベル1本なら幅43.5cm×奥行18cmの置き場所と、寝転がれるスペースがあれば成立します。ベンチを足す場合、STEADY ST140は使用時に約1畳のスペースに収まる設計です。ラックを入れる段階になると、W116×D145cmの本体外寸に加えてバーベルの着脱スペースが必要になるため、必要な面積は一段跳ね上がります。
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まとめ:ホームジムは順番と寸法で9割決まる

💪 この記事の結論

ホームジムは可変式ダンベル、ベンチ、ラックの順で足すと無駄が出ません。まずメジャーで置き場所を測り、1台目のダンベルから始めましょう。

✅ 要点チェック
  • 刻み幅で選ぶ:2kg刻みなら伸び悩みにくい
  • 畳めるかを見る:置いてある時間のほうが長い
  • 天井高を先に測る:入る高さと使える高さは別
  • 穴径をそろえる:28mmと50mmは互換性がない
  • 床は器具より先:マットは後付けほど手間が増える

ホームジムづくりで失敗するのは、器具の性能を比べすぎて、家の寸法を測り忘れたときです。逆に言えば、メジャー1本で防げる失敗がほとんどということでもあります。最初の一歩としておすすめしたいのは、トレーニングをする予定の場所に立って、天井高と床の幅・奥行きを測って紙に書き出すこと。その紙を持って製品ページのスペック欄を見れば、置ける器具と置けない器具が5分で分かれます。そこから1台目の可変式ダンベルを選べば、順番を間違えることはありません。厚生労働省のe-ヘルスネットが示す週2〜3日という頻度なら、ダンベルとベンチで組める種目数でしばらく足ります。設備を先に増やすより、続く仕組みを先に作るほうが結果は出やすいはずです。

※記載の価格・スペックは執筆時点でメーカー公式および正規販売店の情報を確認したものです。価格は変動するため、購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

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筋トレの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

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