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ベンチプレスのバーを握った手のひらが赤くなる、懸垂の後に皮がめくれる、汗でシャフトがぬるっと滑る。トレーニンググローブを検討するきっかけは、だいたいこの3つのどれかです。ところが売り場を見ると2,980円のものから6,930円のものまで並んでいて、何が違うのか分からないまま安い方を買い、サイズが合わずに引き出しの奥へ、というパターンが起きます。
先に結論をお伝えします。グローブ選びで最初に決めるのは価格でもブランドでもなく、手囲い(指の付け根まわりの太さ)と、リストラップが一体になっているかどうかの2点です。この2つが合っていれば入門価格帯のモデルでも十分機能し、逆にここを外すと上位モデルを買っても滑ります。メーカーによってM表記の実寸が数cm違うため、サイズ表を読まずに「いつものM」で買うのがいちばんの事故になります。
この記事では、ゴールドジム・ハービンジャー・シーク・ALL OUTの主要7モデルを、メーカー公式および公式販売ページで確認したスペックと価格だけを使って比較します。押す種目と引く種目で必要な機能が変わる理由、手首を固定したい人の選択肢、そしてグローブでは解決しない領域まで、売り場で隣に立って説明するつもりで整理していきます。
・グローブで変わること/変わらないことの線引き
・手囲いの測り方と、メーカーごとに違うサイズ基準
・主要7モデルの掌素材・サイズ展開・価格の横並び比較
・ベンチプレス/懸垂/デッドリフトでの使い分け
グローブを着けても握力は上がらない|では何が変わるのか

手のひらを守るのが、グローブの本業です
トレーニンググローブの第一の役割は、バーのローレット(滑り止めの刻み目)から手のひらの皮膚を守ることです。マメは、握ったバーが手のひらの中でわずかにズレて皮膚がヨレることで生まれます。だから同じ重量でも、バーが手の中で回りやすい引く種目のほうがマメができやすく、押す種目では手のひらの根元が圧迫されて痛みが出やすい、と症状の出方が変わります。
ここを理解しておくと、掌パッドの厚みを選ぶ基準が決まります。ラットプルダウンやベントオーバーローが多い人は、ズレを止める滑り止め面の質が効きます。ベンチプレスやショルダープレスが中心なら、手のひらの一点に荷重が集中しない立体的なパッド配置が効きます。逆に、握り込みの感覚を最優先する人にとっては、厚いパッドは「バーが太くなった」という違和感になります。
注意点として、グローブは皮膚の保護であって、痛みの原因そのものを消す道具ではありません。手首や肘に痛みが続く場合は、装備よりフォームと重量設定を先に見直してください。痛みが引かないときは自己判断せず、整形外科など専門医に相談するのが順序です。
グリップ力は「滑り止め」で上がり、握力そのものは補助されません
グローブの掌面には滑り止め加工が施されており、汗でシャフトが滑るのを抑えます。この効果はチョーク(炭酸マグネシウム)に近い性質で、チョーク禁止のジムでも使える点が実用的です。一方で、ストラップやパワーグリップのようにバーへ荷重を「引っ掛ける」機構は持たないため、握力そのものを肩代わりはしません。
むしろ、掌に生地が1枚入る分だけバーが太くなり、握力の面では不利に働くことがあります。だからこそ薄さを売りにするモデルが存在し、ゴールドジムのプロトレーニンググローブ G3402やプロアルティマグローブ G3432は掌に0.6mmの極薄アマーラ素材を使っています。厚いクッションで守るか、薄さでバーの感覚を残すか。ここが価格帯より大きな分岐点です。
使い分けの目安はシンプルです。中重量までのベンチプレスやマシン中心なら、滑り止めだけで足ります。握力が先に限界を迎える高重量の引く種目では、グローブ単体ではなくパワーグリップやストラップの領域になります。
リストラップ=手首に巻いて関節の反りを抑えるバンド。グローブに縫い付けられた「一体型」と、単体で巻く「別売り型」がある。
ローレット=バーベルシャフトの表面に刻まれた滑り止めの溝。グリップは上がるが、皮膚には削れる方向に働く。
手囲い=親指を除き、4本の指の付け根まわりを1周した長さ。グローブのサイズ表はこの数値で書かれている。
週2〜3日続ける前提なら、手の消耗管理は装備の仕事です
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人および高齢者に、筋トレを週2〜3日実施することを推奨する、と示されています(e-ヘルスネット 情報シート)。ここで言う筋トレにはマシンを使うウエイトトレーニングだけでなく、自重の腕立て伏せなども含まれます。
週2〜3日という頻度は、裏を返せば手のひらの皮膚が回復しきる前に次の刺激が入る頻度でもあります。皮がめくれた状態で無理に握ると、その日のセット数が落ち、結果としてトレーニング量が減ります。グローブは筋肉を増やす道具ではありませんが、予定どおりの回数を握り切るための道具ではあります。
同ガイドは、筋肉に負荷をかけると同時に休息日もしっかり設けること、息をこらえないことにも触れています。装備を足す前に、頻度と休息の設計が先だという前提は変わりません。装備はあくまで、決めたメニューを完走するための補助線です。
サイズは手囲いで決まる|外さないための4つの軸
まず手囲いを測る。ここを外すと他の条件が全部無効になります
グローブのサイズは手囲い、つまり親指を除いた4本の指の付け根まわりを1周した長さで決まります。メジャーを指の付け根に軽く巻き、握りこぶしを作らずに測るのが基本です。この1回の計測をするかどうかで、成功率がはっきり変わります。
やっかいなのは、同じMでもメーカーで実寸が違うことです。ハービンジャーのMは手甲周19〜20.3cm、シークのModel 540のMは手囲い20.3〜22.9cm、ALL OUTのMは20〜23cm、ゴールドジムのEXレザーグローブ G3403のMは手周り約22cm。つまりハービンジャーのMとゴールドジムのMでは、2cm以上ずれる可能性があります。
迷ったときは、実測値が2サイズの境界に乗ったら小さい方を選ぶのが定石です。グローブは使ううちに革が伸びて手に馴染む方向に変化するため、最初にきつめの方が結果的に密着します。ただし指先がしびれる、面ファスナーが留まりきらないほどきついのは失敗です。境界値ぴったりのときだけ小さめ、明らかに超えているなら素直に上のサイズにしてください。
掌素材で、寿命と手のひらの感触が変わります
掌素材は大きく3系統に分かれます。1つ目は天然皮革。ゴールドジムのEXレザーグローブ G3403は山羊皮を使い、使い込むほど手に馴染む方向に変化します。ハービンジャーのパワーグローブ2.0も、親指と掌の高負荷部にパッド入りの本革を配置しています。グリップの安定と耐久性を取るならこの系統です。
2つ目は人工皮革。ゴールドジムのプロトレーニンググローブ G3402とプロアルティマグローブ G3432が採用する0.6mmのアマーラ素材が代表で、汗や水分に強く、薄さでバーの握り心地を残せます。3つ目はジェル系で、シークのModel 540が掌にジェルパッドを入れ、荷重の一点集中を抑える設計です。
デメリットも押さえておきます。天然皮革は水濡れに弱く、汗をかいたまま放置すると硬化と臭いの原因になります。人工皮革は薄いぶんクッション性は控えめで、高重量のバーの角が当たる感覚は残ります。ジェル系は快適な代わりに厚みが出るため、握り込みの感覚は鈍くなります。3つとも一長一短で、上位互換の素材はありません。
リストラップ一体型は、必要な人と邪魔になる人がいます
グローブに手首サポートが縫い付けられた一体型は、手首が反る方向の力を抑えます。高重量のベンチプレスやダンベルショルダープレスで手首が寝てしまう人には、装着1つで2役をこなす合理的な選択です。ハービンジャーのプロリストラップグローブ2.0、ゴールドジムのプロアルティマグローブ G3432、シークのModel 540がこの系統になります。
一方で、手首の自由度は確実に下がります。ダンベルカールやケーブル系のように前腕の回旋を伴う種目では、巻きの強さによって動きが制限されることがあります。マシン中心の人、可動域を優先したい人は、一体型でないシンプルなモデルの方が扱いやすいでしょう。
もう1つの判断材料が価格です。一体型は5,500円〜6,930円、リストラップなしは2,980円〜6,160円と、同じブランド内でも差が出ます。手首に不安がない段階でいきなり一体型に投資する必要はありません。必要になったタイミングでリストラップを別途足す道もあります。
指の形状と着脱のしやすさは、続けやすさに直結します
ウエイトトレーニング用のグローブは指切り(ハーフフィンガー)が主流で、指先を出すことで熱がこもりにくく、プレートやピンの操作もしやすくなります。シークのModel 540は3/4フィンガーで、指の第2関節付近まで覆う中間的な設計です。指全体を覆うフルフィンガーは冬場の屋外や器具の冷たさが気になる人向けで、屋内ジムでは少数派です。
見落とされがちなのが着脱です。汗を吸ったグローブは脱ぎにくく、ここでストレスを感じると使わなくなります。ゴールドジムのG3402とG3432は指先にフィンを備え、ハービンジャーの2モデルは指と手首のプルタブで引き抜ける設計。ALL OUTも指部分にストラップを備えます。着脱補助がないモデルは、セット間で外す習慣がある人ほど不便です。
注意点として、フィンやプルタブは引っ張る力が集中するため、経年で最初に傷むパーツでもあります。乱暴に引き抜かず、指の付け根側から少しずつ緩める方が長持ちします。
サイズ表の基準はメーカーごとに別物です。「他社のMが合ったから」で選ばず、必ず購入するブランドのサイズ表と自分の実測値を突き合わせてください。ネット通販ではサイズ交換の可否も購入前に確認を。
2,980円と3,300円から始める入門2モデル

ALL OUT トレーニンググローブ|手首のロング固定まで入って2,980円
入門価格帯で手首の固定まで欲しいなら、ALL OUTのトレーニンググローブが分かりやすい選択です。公式サイトの税込価格は2,980円。掌に特殊素材を使った立体構造のクッションで、リストラップ部はネオプレーン素材のロングタイプ。内側にも面ファスナーが付いており、巻いた後の緩みを抑える構造になっています。
サイズはS(手囲い18〜20cm)、M(20〜23cm)、L(23〜25cm)の3展開で、1サイズあたりのカバー幅が2〜3cmと広めです。手囲いが20cm前後の人はSとMのどちらでも収まる計算になるので、握り込んだときの密着を優先するならS、指の付け根の窮屈さが気になるならMという選び分けになります。カラーはオレンジ・ピンク・レッド・ブルーの4色展開です。
妥協点は、サイズ刻みの粗さそのものです。XSやXLがないため、手囲いが18cm未満または25cmを超える人は選択肢から外れます。手が小さい人・大きい人は、5サイズ以上を展開するハービンジャーやシークを見た方が確実です。
手首のロング固定まで入って2,980円、入門の1双で迷ったらこれ▼
| 製品名 | ALL OUT トレーニンググローブ |
| サイズ展開 | S(手囲い18〜20cm)/M(20〜23cm)/L(23〜25cm) |
| 素材・仕様 | ゴム、レザー/リストラップ部はネオプレーン、内側にも面ファスナー |
| 価格(公式サイト) | 2,980円(税込) |

ハービンジャー パワーグローブ2.0|本革とメッシュの王道が3,300円
ハービンジャーのパワーグローブ2.0は、日本正規流通のエントリーモデルで希望小売価格は税込3,300円です。ストレスのかかる親指と掌にはパッド入りの本革、手の甲側は動きに追従するパフォーマンスメッシュ。素材構成はポリエステル・レザー・スパンデックスで、価格帯のわりに天然皮革を掌に使っている点が特徴です。
強みはサイズ展開の細かさです。XS(手甲周16.5〜17.8cm)、S(17.8〜19cm)、M(19〜20.3cm)、L(20.3〜21.6cm)、XL(21.6〜24cm)の5サイズで、1サイズあたりの幅が1〜1.5cm程度と狭く設定されています。手が小さい人や、他社のSが緩かった人はここで解決することが多い設計です。指と手首のプルタブで着脱もスムーズです。
注意点は、リストラップが付かないこと。手首のサポートはベルクロのベルトのみなので、高重量のプレス系で手首が反る人は物足りません。また上位のプログローブ2.0は4,620円、フレックスフィットグローブ2.0は4,180円と価格差が小さいため、掌の作り込みを求めるならそちらも比較対象になります。
入門価格帯で妥協される点を、先に知っておく
入門モデルでいちばん起きやすい失敗が、「パッドが厚いモデルを選んだら、バーが太くなって握りにくくなった」というものです。原因は好みのミスマッチで、掌の保護を最優先した製品は構造上どうしても厚みが出ます。対策は、握り込む感覚を重視する人は薄手の人工皮革系を選び、保護を優先する人はクッション厚めを選ぶ、と最初から目的で分けることです。
もう1つの妥協点は寿命です。価格が上がるほど縫製の補強箇所が増え、親指の付け根や掌の縁といった破れやすい部分に手が入ります。ハービンジャーのパワーグローブ2.0が高負荷部を本革で強化しているのは、この考え方に沿った設計です。週2〜3日使う前提なら、消耗品として1年前後で見直す想定を持っておくと判断がぶれません。
逆に、入門価格帯で十分な人もはっきりしています。マシン中心、扱う重量は軽め、ジム歴半年以内。この条件なら2,980円〜3,300円のモデルで機能は足ります。重量が伸びて手首の不安が出てきた段階で、次の価格帯を検討すれば間に合います。
手首ごと固定したい人のリストラップ一体型3モデル
ハービンジャー プロリストラップグローブ2.0|押す・引くでパッドを分けた設計
税込5,500円のプロリストラップグローブ2.0は、グローブと手首サポートが一体になった上位モデルです。掌は通気孔付きのパッド入りレザー、甲側は4WAYストレッチ素材。引く動作で負荷がかかる部分と、押す動作で負荷がかかる部分を2パーツに分けてパッドを配置しているのが設計上のポイントで、種目をまたいで使う人ほど恩恵が分かりやすい構成です。
サイズはパワーグローブ2.0と同じくXS(手甲周16.5〜17.8cm)からXL(21.6〜24cm)までの5展開。指のプルタブを引くだけで外せるため、リストラップ一体型にありがちな「セット間で外すのが面倒」という不満が出にくいのも実用的です。ベンチプレスとラットプルダウンを同じ日に回すような全身メニューと相性がよいモデルです。
デメリットは、手首の巻きの強さを別売りリストラップほど細かく調整できないこと。パワーリフティング的な高重量で手首をがっちり固めたい人は、薄手グローブと専用リストラップの組み合わせに軍配が上がります。手入れは中性洗剤で手洗いし、直射日光を避けて平置きで陰干しが公式の案内です。

ダンベルプレスをやっているのに、胸ではなく肩や腕ばかりが張る。重量は少しずつ上がっているのに、胸板が厚くなった実感がない。ダンベルプレスのやり方を調べている人の…
ゴールドジム プロアルティマグローブ G3432|0.6mmの薄さとリストラップの両取り
ゴールドジムのプロアルティマグローブ G3432は、掌に0.6mmの極薄アマーラ素材を使いながら、手首部分にリストラップ機能を搭載した構成です。厚いクッションで覆わずにフィット感を確保し、そのうえで手首を支える。一体型は厚ぼったくなりがち、という常識の逆を行く設計になっています。価格はフィットネスショップで税込6,930円、ゴールドジム公式楽天ショップで税込6,600円です。
サイズはM(手周り約22cm)、L(約23cm)、XL(約24cm)、XXL(約26cm)の4展開。指の力を抜いた自然な状態に合わせて湾曲させた「エルゴグリップ」形状で、握った際の握力の消耗を軽減する狙いがあります。甲側はスパンデックスで通気性と伸縮性を確保し、指先のフィンで着脱もしやすくなっています。
妥協点は2つ。1つは価格で、今回の7モデル中もっとも高い部類に入ります。もう1つはサイズ下限で、Mが手周り約22cmからのため、手が小さい人はハービンジャーやシークのXS・Sを見た方が合います。薄さと手首サポートを同時に求める人に向いた、目的のはっきりしたモデルです。
シーク リストラップ付リフティンググローブ Model 540|6サイズ展開のジェルパッド
シークのModel 540は、掌にジェルパッドと滑り止め加工を備えたプラチナシリーズのグローブで、日本での販売価格は税込5,800円。指は3/4フィンガーの合成皮革で、一体型リストラップが付きます。ジェルパッドは荷重の一点集中を和らげる方向に働くため、バーの角が手のひらに食い込む感覚が苦手な人に向きます。
特筆すべきはサイズ展開で、XS(手囲い15.2〜17.8cm)、S(17.8〜20.3cm)、SM(19〜21.6cm)、M(20.3〜22.9cm)、L(22.9〜25.4cm)、XL(25.5〜28cm)の6展開。SMという中間サイズがあるのは今回の7モデルでここだけで、SとMの境界に実測値が乗る人の逃げ道になります。取り外し用のフィンが付き、汗をかいた後も引き抜きやすい構造です。
注意点は、ジェルパッドの厚みぶん、バーの細かい感触は伝わりにくくなること。薄さ重視の人はゴールドジムのアマーラ素材系と比べてから決めてください。なお米国のSchiek公式サイトでもプラチナシリーズの現行品として掲載が続いており、供給が細っているモデルではありません。
一体型3モデルの選び分けは単純です。種目をまたいで1双で済ませたいならハービンジャー プロリストラップグローブ2.0(5,500円)、バーの感覚を残したいならゴールドジム プロアルティマグローブ G3432、サイズが境界で悩むならSMがあるシーク Model 540(5,800円)。手首サポートの必要性が薄いなら、そもそも一体型を選ばない選択が正解になります。
革の質感で選ぶ、ゴールドジムの定番2モデル

EXレザーグローブ G3403|山羊革で馴染む、片手70g台の定番
ゴールドジムのEXレザーグローブ G3403は、掌に山羊皮を使ったベーシックモデルです。価格はフィットネスショップ公式・ヒマラヤ公式ともに税込4,730円で一致しています。山羊革は柔らかく、使い込むほど手に馴染む方向に変化するのが持ち味。手の甲側はメッシュでムレにくく、初級者から上級者まで幅広く使える構成です。
サイズはM(手周り約22cm、約69g)、L(約23cm、約74g)、XL(約24cm、約77g)の3展開。重量が公表されているのは選ぶうえで助かる情報で、片手70g前後という数値は、ジムバッグに常備しても気にならない軽さです。バーのローレットから手のひらを守る用途と、プッシュ系種目での圧迫の緩和が主な守備範囲になります。
注意点は、天然皮革ゆえの水濡れの弱さです。汗を吸ったまま袋に入れっぱなしにすると硬くなり、臭いも出ます。使用後は広げて陰干しする一手間が寿命を左右します。また手周り約22cmからの3サイズ展開なので、手が小さい人はサイズが合わない可能性があります。
| 製品名 | ゴールドジム EXレザーグローブ G3403 |
| サイズ・重量 | M(約22cm・約69g)/L(約23cm・約74g)/XL(約24cm・約77g) |
| 素材・仕様 | 掌=レザー(山羊皮)/甲=メッシュ/リストラップなし |
| 価格 | 4,730円(税込) |
プロトレーニンググローブ G3402|握りの感覚を残したい人の0.6mm
プロトレーニンググローブ G3402は、掌に0.6mmの人工皮革アマーラ素材を使い、甲側にスパンデックスを配したモデルです。厚手のクッションで覆うのではなく、薄さでバーの握り心地を残す方向の設計。アマーラ素材は汗や水分に強く、天然皮革のように濡れて硬くなる心配が少ないのも扱いやすさにつながります。サイズはM・L・XL・XXLの4展開です。
価格は販売店で差があり、フィットネスショップで税込6,160円、スーパースポーツゼビオで税込5,500円。同じ型番でも販売店によって差が出るため、購入前に複数の販売店を確認する価値があります。指の自然な湾曲に合わせたエルゴグリップ形状と、指先のフィンによる着脱のしやすさはG3432と共通です。
妥協点は、クッション性を求める人には物足りない点です。掌0.6mmは保護より感覚を優先した数値で、バーの角が当たる感触はある程度残ります。手のひらの痛みを抑えたい人はジェル系やパッド厚めのモデル、握りの精度を落としたくない人はこちら、という住み分けになります。水洗いに対応しており、手洗いのうえ陰干しが公式の案内です。
山羊革とアマーラ、どちらを選ぶか
2モデルの分岐点は「馴染ませて育てるか、扱いやすさを取るか」です。山羊革のG3403は使い込むほど手の形に沿ってきますが、汗と乾燥の管理を怠ると硬化します。アマーラのG3402は水分に強く手入れが楽な代わりに、革のような経年変化は起きません。
価格で見ると、G3403は4,730円、G3402はフィットネスショップで6,160円。この価格差をどう見るかですが、リストラップが必要ないなら、まずG3403から入って手のひらの消耗具合を把握するのが手堅い順序です。そのうえで薄さが欲しくなったらG3402、手首の支えが欲しくなったらG3432へ、と必要が生まれてから上げていくのが無駄がありません。
いずれのモデルも共通する注意点として、サイズ下限が手周り約22cmであることは変わりません。手囲いが20cm未満の人は、この2モデルではなくハービンジャーのXS・Sやシークの6サイズ展開から探してください。ブランドの好みより、まずサイズが合うことが優先されます。
7モデル比較と、種目別の使い分け
主要7モデルのスペック比較(筋トレの教科書調べ)
ここまでの7モデルを、メーカー公式および公式販売ページの記載をもとに横並びにしました。価格は税込、サイズは各社のサイズ表記載の手囲い(手甲周)です。同じ「M」でも実寸が違うことが、表にすると一目で分かります。
| モデル | 掌素材 | リストラップ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ALL OUT トレーニンググローブ | 特殊素材(立体クッション) | 一体型(ロング) | 2,980円 |
| ハービンジャー パワーグローブ2.0 | パッド入り本革 | なし | 3,300円 |
| ゴールドジム EXレザーグローブ G3403 | 山羊皮 | なし | 4,730円 |
| ハービンジャー プロリストラップグローブ2.0 | 通気孔付きパッド入りレザー | 一体型 | 5,500円 |
| シーク Model 540 | ジェルパッド+滑り止め | 一体型 | 5,800円 |
| ゴールドジム プロトレーニンググローブ G3402 | 0.6mmアマーラ素材 | なし | 6,160円 |
| ゴールドジム プロアルティマグローブ G3432 | 0.6mmアマーラ素材 | 一体型 | 6,930円 |
表にすると、価格の並びと機能の並びが一致しないことが見えてきます。もっとも安いALL OUTがリストラップ一体型で、3,300円のハービンジャーにはリストラップがない。価格=性能ではなく、価格=どこに素材コストをかけたか、と読むのが正しい見方です。
ベンチプレス・ショルダープレスは、手首の支えが効きます
押す種目では、バーやダンベルの荷重が手のひらの根元にまとめてかかります。重量が上がるほど手首が反る方向に力が働くため、ここで効いてくるのがリストラップ一体型です。ハービンジャーのプロリストラップグローブ2.0、ゴールドジムのG3432、シークのModel 540が候補になります。
ゴールドジムのG3402とG3403は、公式ページでもプッシュ系種目に向く旨が示されています。手首に不安がなく、バーの位置を精密に感じ取りたい人はこちらの薄手系。手首が寝てしまう自覚がある人は一体型。この分岐は重量よりも、フォームの安定度で決めるのが実際的です。
注意したいのは、グローブで手首を固めてもフォームの問題は解決しないことです。手首が反るのはバーが指の付け根側に乗っているサインでもあるため、装備を足す前に握りの位置を見直す価値があります。
懸垂・ラットプルは滑り止めが主役。握力が切れるなら別の道具へ
引く種目ではバーが手の中で回りやすく、マメの主因になります。ここで効くのは掌の滑り止めとフィット感で、パッドの厚さより密着度が重要です。手囲いにきっちり合ったサイズを選ぶこと自体が、引く種目でのグリップ対策になります。
ただし、握力が先に限界を迎えて背中を追い込めないなら、グローブでは解決しません。この段階まで来たら、荷重をバーに引っ掛けるパワーグリップやリストストラップの出番です。役割が違う道具なので、どちらが優れているという話ではありません。

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実は、デッドリフトはグローブの守備範囲外です
意外と知られていませんが、高重量のデッドリフトはグローブが得意な領域ではありません。理由は単純で、掌に生地が1枚入るぶんバーが太くなり、握力面ではむしろ不利に働くからです。滑り止め加工でチョークに近い効果は得られても、バーを保持し続ける力そのものは補助されません。
そのため、デッドリフトでバーが落ちる人はグローブを厚くするのではなく、パワーグリップやストラップに切り替えるのが筋の通った解決です。逆に、軽〜中重量でマメの予防が目的なら、薄手のグローブで十分に機能します。「グローブは万能ではない」と割り切れる人ほど、装備選びで遠回りをしません。
もう1つの盲点が、ハービンジャーの流通事情です。米国公式サイトの現行世代はPower Gloves 3.0に更新されている一方、日本で正規に流通しているのは2.0世代。さらに、国内では2025年8月31日にミューラージャパンによる代理店販売が終了し、以降の問い合わせ窓口はインプラスイーユーに移っています。並行輸入品と日本正規品が混在する状態なので、サイズ表記や保証の扱いは購入前に販売ページで確認してください。
| 目的・シーン | おすすめの選択 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| はじめての1双・手首も支えたい | ALL OUT トレーニンググローブ | 2,980円 |
| 手が小さくサイズが合わない | ハービンジャー パワーグローブ2.0(XSあり) | 3,300円 |
| 押す種目中心・手首が反る | ハービンジャー プロリストラップグローブ2.0 | 5,500円 |
| バーの感覚を落としたくない | ゴールドジム プロトレーニンググローブ G3402 | 6,160円 |
| 手のひらの食い込みが苦手 | シーク Model 540(ジェルパッド) | 5,800円 |
買ってから後悔した人が、やりがちな3つのこと
「大きめを買って様子を見る」が、いちばんの失敗です
グローブで最も多い失敗が、サイズを1つ大きく買うことです。衣類の感覚で余裕を持たせると、握ったときに掌の生地がたるみ、バーとの間で生地が動きます。これはまさにマメができる状況そのもので、保護のために買ったグローブがマメの原因になります。
原因は、手囲いを測らずに服のサイズ感覚で選んでいることです。対策は2つ。1つは購入前にメジャーで手囲いを測ること。もう1つは、実測値が2サイズの境界に乗ったときだけ小さい方を選ぶことです。シークのModel 540のようにSMという中間サイズを持つモデルなら、この悩み自体を回避できます。
すでに大きめを買ってしまった場合、面ファスナーを強く締めても掌のたるみは解消しません。手首だけが締まって指の付け根が余る状態になり、可動域の邪魔になるだけです。サイズ交換ができるうちに判断するのが現実的な対処になります。
洗わない・干さないで、寿命を自分で縮めていませんか
グローブは汗を吸い続ける消耗品です。使用後にバッグへ入れっぱなしにすると、天然皮革は硬化し、どの素材でも臭いが定着します。ハービンジャーのプロリストラップグローブ2.0は中性洗剤で手洗いし、直射日光を避けて平置きで陰干し、と公式に案内されています。ゴールドジムのG3402も水洗いに対応し、手洗いのうえ陰干しが案内されています。
ここで守りたいのは、洗濯機と乾燥機を使わないことと、直射日光で乾かさないことです。高温と強い機械力は接着部と革を傷めます。週2〜3日使うなら、使用後は必ず広げて風を通し、月に1回程度の手洗いを目安にすると、硬化と臭いの進行が遅くなります。
それでも消耗品であることは変わりません。掌の滑り止めが平らにすり減った、縫い目が割れた、面ファスナーが留まらなくなった。このどれかが出たら交換時期です。滑るグローブを使い続けるのは、素手より危険な場合があります。
手囲いを知らないままプレゼントすると、ほぼ外します
トレーニンググローブは贈り物としても選ばれますが、サイズ依存度が高いアイテムです。本人の手囲いを知らずに選ぶと、先ほどの「大きめ問題」がそのまま起きます。相手の使用種目も分からないと、リストラップ一体型か否かの判断もできません。
どうしても贈るなら、サイズ交換に対応した販売店で購入する、あるいはサイズに依存しないアイテムを選ぶのが安全です。同じ予算帯なら、シェイカーやトレーニングマットのようにサイズの縛りがない品の方が外しにくいでしょう。

誕生日が近い恋人、昇進祝いを渡したい同僚、ジム通いを始めた家族。相手が筋トレをしていると分かっているのに、いざ売り場やネットショップを開くと手が止まります。ダン…
同じ型番でも販売店で価格が違います。ゴールドジムのG3402はフィットネスショップで6,160円、スーパースポーツゼビオで5,500円。G3432はフィットネスショップで6,930円、ゴールドジム公式楽天ショップで6,600円でした。購入前に複数の販売店を見比べてください。
まとめ|手囲いを測るところから始めれば、失敗しません
最初の一歩は、買い物カートではなくメジャーです。指の付け根まわりを1周測って数字を控え、そのうえで候補モデルのサイズ表と突き合わせてください。手囲いが20cm未満ならハービンジャーやシークの小さいサイズ、22cm以上ならゴールドジムも含めて全モデルが射程に入ります。手首に不安がなければ2,980円〜4,730円の範囲で十分に機能し、押す種目で手首が反る自覚が出てきたタイミングで一体型へ移るのが、遠回りのない順序です。
※価格・仕様は2026年8月時点で各メーカー公式および公式販売ページに掲載されていた内容です。最新情報は公式サイトでご確認ください。

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